脂肪吸引が一般的な美容整形として認識され、SNSでも多くの投稿がされるようになっています。脂肪吸引を行うクリニックが増えており、安さや吸引量をアピールしたSNS投稿や広告が多くみられるようになっている一方で、仕上がりの不満により、ご相談に来られる方も多くなっています。今回は失敗例の一部をご紹介します。
太ももの臀部を支える脂肪の取り過ぎにより、お尻が下がっており、お尻の外側の脂肪を取り過ぎたことにより、不自然な窪みができています。
写真左:お腹の吸引が不均一、筋肉の走行を意識しない吸引により、凸凹した印象になっています。
写真右:臀部の脂肪の吸引ムラ、大腿外側の脂肪の取り過ぎにより、筋肉が際立ってしまっています。
大腿外側を吸引し過ぎたことにより、筋肉が際立っています。
少量の脂肪吸引にも関わらず、片側に3か所の傷がつけられ、創縁を愛護的に扱っていなかったため、瘢痕がしっかりと残っています。通常は、脚の付け根(ビキニライン)にポート創部を置き、創縁を愛護的に扱い、
目立つ瘢痕がつかないようにします。
吸引後の弛み感を考慮しない脂肪吸引により、術後しばらくたってからの弛み感を後悔する方が増えています。
脂肪吸引はダイエットではありませんので、量がいくつ取れたかにこだわるのはナンセンスと考えます。
過剰な脂肪吸引は皮膚の余り感が強調され、見栄えが悪くなる恐れがあります。
「根こそぎ」「ペラペラ」脂肪吸引は可能ですが、私からはご提案しません。希望される方は熟慮の上で、お伝えいただければと思います。